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同志社グリークラブ第111回定期演奏会(2015.12.12 いずみホール) [演奏を聴く(仮)]

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第一ステージ
「Fragments ~特攻隊戦死者の手記による~」
 (作曲:信長貴富)
 指揮:伊東恵司 ピアノ:荻原吉樹
第二ステージ
 男声合唱とピアノのための「初心のうた」
 (作曲:信長貴富 作詩:木島 始)
 指揮:沖村明彦(学指揮)ピアノ:松井 萌

異なる世代の語る同じテーマを同じ作曲者の切り口で提示する好企画。
前者は関西コンクールより冷静な表現になっていた。
後半の内省的表現の切り替えも上手くいったと思う。
後者は世代が下がった分、学指揮の若々しい表現がはまっていたが、
「でなおすうた」のラストを感情的に走らせすぎたのは惜しかった。
第三ステージ
 Songs For Christmas
 指揮:伊東恵司

アラカルトのPOPSステージ。
基本「生真面目で誠実」な印象を持つ今年のメンバーのようで
技術的以上に表現上の問題で一番の苦行になってしまったようだ。
懸命な態度が歌い手から笑顔を消していた。
そう、こんなステージには「笑顔」が余計にいるのだ。
構成上は必要だが、聴衆を楽しませる所まで吹っ切る時間が無かったのかもしれない。
この課題は実は大人の合唱団でも難しい。
吹っ切る事は出来ても自己満足で聴衆が引いてしまうリスクもある。
地味な構成になるが祈りの歌に絞り込んで見る手もあった。
前向きではないし結果論ではあるけれど。

第四ステージ
 無伴奏男声合唱のための「沖縄小景」
 (作曲:瑞慶覧尚子)
 指揮:名島啓太

 沖縄出身の女性作曲家による男声合唱曲という異色作。
 民謡を主題とする作品を大らかに唄い切った。

<アンコール>
・そーらん節 編曲:清水脩(名島)
・Winter Wander Land(伊東)
・こころよ うたえ 作曲:信長貴富(沖村)

ラストナンバーが一番心に響いた。
勿論、技術的破綻もあったのだが
彼らの「歌」に対する考えがストレートに伝わった。

よく言えば「良い子」悪く言えば「指示待ち」の世代だと思う。
自らの考えを出来る範囲で指導者にぶつけるのが課題になる。
イベント完遂も大変大事だがそれだけではない。
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第62回東西四大学合唱演奏会(2013.6.23すみだトリフォニーホール) [演奏を聴く(仮)]

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会場は近年の四連の中では最高の音響効果を持った会場。
1800のキャパがほぼ8割の入りであるのにもかかわらず、40~80人の
単独ステージでボリュームが物足りなく感じた団体は一つも無く、合同も
収拾がつかなくなることも無かった。

今回は異例ずくめの演奏会で列挙して見ると・・・
・全て邦人作品
・単独ステージは全てピアノ伴奏付き
・単独ステージの作曲者が全員列席
・通常より開演を一時間前倒し←これは関西在住の私には大変ありがたい判断

四団体の内、三団体のベース系にパワー不足が感じられた
(だからこそピアノ伴奏を選択したのだと思う)
しかし全般的にレベルの高い内容となった。

ではステージ順に(カッコ内は実測オンステ数)

<エール交換>
関学・・・・トップの伸びが凄い。しかし音色は軽いトーンで纏めていた。
早稲田・・・・いつもよりユニゾンがクリアだがここも音色が軽い
同志社・・・・声はよく飛んでいるが、トップが荒れて纏まり辛い
慶応義塾ワグネル男声・・・・唯一重厚なトーンで上手く纏めていた

<関西学院グリークラブ>(76名)
男声合唱組曲『永久ニ』
作詞・作曲 鈴木憲夫
指揮:広瀬康夫 ピアノ連弾:大山まゆみ、渡辺磨奈

TOPはこの20年間で最強。ベース系がついていけなくなりかけているのが課題。


<早稲田大学グリークラブ>(47名)
男声合唱とピアノのための『ことばあそびうた II』
作詞:谷川俊太郎 作曲:新実徳英
指揮:樋本英一 ピアノ:小林功

抑制を効かせる指揮者とは本当に相性が良くない。
アンサンブルは美しいがP系のフレーズが心に響かない。

<同志社グリークラブ>(46名)
男声合唱組曲『風に鳴る笛』
作詞:谷川俊太郎 作曲:高嶋みどり
指揮:伊東恵司 ピアノ:萩原吉樹

声は早稲田より前にきていた。
エールでは荒れ氣味だったTOPも事故のように切れ際が崩れる事はあったが
全般的にはまとまっていた。
何より下3パートのフレージングが素晴らしい。全てのパートがしっかりと唄っていた。
TQPのカサ上げが課題。

<慶應義塾ワグネル・ソサィエティー男声合唱団>(42名)
男声合唱のための合唱詩『ふなたび』 【委嘱初演作品】
作詞:宮本益光 作曲:加藤昌則
指揮:佐藤正浩 ピアノ:前田勝則

発声が重厚だが文句無し。委嘱作品はミニカンタート(合唱劇)形式で完璧にこなしていた。

<合同ステージ>
男声合唱のための『おらしょ』カクレキリシタン3つの歌
作曲:千原英喜
指揮:辻博之

この作品は基本コンパクトにメリハリを効かせる曲なので合同には不向き。
テナー系は力技で振り切ったがベース系は力んで纏め切れなかった部分もあつた。

<アンコール>
ピアノと男声合唱のための「ある真夜中に」より
「寂庵の祈り」
(作詩:瀬戸内寂聴 作曲:千原英喜)
Nコンからの曲なので作曲者が思い浮かばないくらいオーソドックスな小品
これも合同にすると重厚すぎる感。
<ステージストーム>
関学・・・Uboj
エールと印象変わらず。
流石にラストはバッチリ決めてくれた。
早稲田・・・斉太郎節
やはり暴発した。
同志社・・・Ain'a That Good News
久々のドーソン編曲のSpiritual、勢いは良い。後はメリハリ。
慶応・・・八木節
男声合唱全体のレパートリー定着を考えると四連では松下耕作品は
あまり演奏されない。軽快に捌こうとしてメリハリがつかなかった。

(追記)
慶応義塾の単独ステージについて詳細に書いたblogを発見
是非、御参考に

「人生ブンダバー」2013年7月8日付
http://blog.goo.ne.jp/katsura1125/e/d5c4dfe92aec808d8a32dabd88a3f6ae
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第61回東西四大学合唱演奏会(2012.7.1武庫川女子大学公江記念講堂) [演奏を聴く(仮)]

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会場は武庫川女子大の正門からすぐ入った位置にあった。
内装は大阪フェスティバルホールを2000人弱のキャパにスケールダウンした感じ。
しかし、舞台と客席の間に学校の講堂ではありがちな小さな幕が下がっていてこれが
上から伸びる響きを完全に遮断してしまう。器楽、講演では問題は無いが、コーラスに
関しては命取りに思えた。

今回、幹事校は関学。
客席は地元ゆえ半分以上関学ファンでほぼ満員。
後日聞いた情報ではリハーサルも大部分振り付けが入る合同がメインとなり、早慶は
このホールの特性を把握しきれずに本番を迎えてしまい、同志社は2011年の武庫女の
クリスマスコンサートに賛助出演すべくこの会場の舞台にのり把握はしていたものの
パワー不足は否めめなかった。

結果、幹事校の関学の思惑通り、自らの単独ステージとプロデュースした合同ステージが
一番カッコよく聴こえる演奏会となった。ここまでやらかしてくれると、ぐうの音も出ない。

では、ステージ順に(カッコ内人数は実測オンステメンバー)

<エール交歓>
慶應義塾ワグネル・・・・纏まっているが、パワー不足
同志社・・・・テナー系が暴走気味だがよく伸びている。ベース系がフォローできるか?
早稲田・・・・人数は最大。いつも通り熱い、しかしテナー系の響きの軽さに違和感在り。
関学・・・・破綻は全く無く「関学トーン復活!」と断言できる。パートバランスも最も優れている。

<慶應義塾ワグネル・ソサィエティー男声合唱団>( 29名)
『さすらう若人の歌』
作詞:Gustav Mahler 作曲:Gustav Mahler 
指揮:佐藤正浩 ピアノ:前田勝則  パーカッション:大里みどり

軽めの声でコンパクトに纏める。パーカッション入りは人数を考えると
冒険だが、バランスよく纏めたのは流石、人数の限界を考えると声量不足は
否定できないが好演。

<同志社グリークラブ> (38名)
男声合唱とピアノのための『感傷的な二つの奏鳴曲』
作詞:金子光晴 作曲:高嶋みどり 
指揮:伊東恵司 ピアノ:萩原吉樹

唄いまわしの上手さはダントツ。
流れるが如く「言葉」がどんどん前に湧き出してくる。
思い切ったフレージングなのに、コンクールを意識してアンサンブルは内側に纏めて
いた。「そこまでするならもう一声」と思う飢餓感は感じたが、それは会場を響かせ
切れなかったせいかもしれない。

<早稲田大学グリークラブ> (80名)
男声合唱組曲『御誦』
作曲:大島ミチル 
指揮:田尻真高 
ピアノ:名田綾子  パーカッション:齋藤祥子・今井文香 アルトソロ:牧野真由美

納得できる水準ではあったが悪い意味でバランス重視の「安全運転」に徹した演奏に感じた。
器楽を前に置いて合唱団を舞台の一番奥に置いてしまったのは会場の特性を
考えると、器楽の音が歌声を消すこととなり、配慮が必要では無かったか?

<関西学院グリークラブ> (78名)
合唱による風土記「阿波」
作曲:三木稔
指揮:広瀬康夫

「関学トーン」全開!
最も会場の特性を把握し、故に一番会場を楽器として響かせていた。
<合同ステージ>
ブロードウェイミュージカル“Wicked”より
作詞・作曲:S.Schwarz
編曲:下園大樹・前田勝則・広瀬康夫
指揮:広瀬康夫 ピアノ:細見真理子・市川奈巳

合同としては振り付けも入った極めて完成度の高いミニ・ミュージカルだった。

<ステージストーム>
特に記することは無かった。
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東海メールクワイアー第55回定期演奏会(2012.6.24 愛知県芸術劇場コンサートホール) [演奏を聴く(仮)]

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全作曲:清水 脩

1)男声合唱組曲「月光とピエロ」 作詩:堀口 大学 指揮:伊東 恵司
  (ワンステージメンバー参加ステージ)

20名以上の補強メンバーを公募し若々しい演奏を目指したのだが・・・
曲のイメージが統一できない戸惑いが散見された。
清水作品は世代格差を埋めるのが困難なのかもしれない。

2)男声合唱組曲「青い照明」(1959年委嘱) 作詩:宮澤 賢治 指揮:今井 邦男

3)「阿波祈祷文」(1966年委嘱) 作詩:野上 彰 指揮:伊東 恵司
  「黙示」(1967年委嘱) 作詩:木原 孝一 指揮:今井 邦男

4)男声合唱組曲「朔太郎の四つの詩」より「緑色の笛」(1962年委嘱) 作詩:萩原 朔太郎  
 「湖上」(1963年委嘱) 作詩:中原 中也
 男声合唱組曲「大手拓次の三つの詩」(1960年委嘱)
 指揮:伊東 恵司

5)「智恵子抄」より 作歌・作詩:高村 光太郎
   「梅酒」(1969年委嘱)
   「智恵子抄巻末のうた六首」(1964年委嘱)
   指揮:今井 邦男

アンコール
  「秋だから」
  「富士山作品第拾捌」 作詩:草野心平


第二ステージ以降はオリジナルメンバーで平均年齢は大幅に上がったものの、
曲の意思統一がまとまった演奏になった。

特に「黙示」は「言葉と音楽で世界は動かせる」と根拠も無く確信していた1960年代の
メッセージが舞台上に忽然と再現された凄みを感じる演奏で、この曲はこのメンバー
でしか本質的なものは伝えられないのではないか?と思えてしまった。

このメンバーのこの演奏が聴けて良かった。

素直にそう思えた。

しかし逆に1960年代に頂点を向かえた合唱団の世代交代の
困難さを(勿論、典礼聖歌やトルミスの連続演奏など試みは絶やしてないが)
痛感した演奏会だった。
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第60回東西四大学合唱演奏会(2011.7.3 於 昭和女子大学昭和記念講堂) [演奏を聴く(仮)]

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震災の影響でマネージが出遅れた感があったが、その危機感が良かったのか、観客の動員は最近の中では
多いように感じた。一階席で8割。2階席ではほぼ満員。それではステージ順に。
(カッコ内は実測オンステ人数)

☆今回、帰りの新幹線に乗るため、合同・ステージストーム聴けていません[あせあせ(飛び散る汗)]

(エール交換)

同志社・・・コンパクトにまとめている。TOPは良くも悪くも荒れ気味。
慶応・・・厚いハーモニーでまとめているが、唄い方は消極的。
関学・・・阪神大震災以来、最高の出来。全国コンクール金賞の自信回復は大きい。
早稲田・・・舞台の1/3を占めるボリュームは圧巻!一部で指摘のある学指揮の
       テクニックには確かに疑問を感じる部分もあるが、このメンバーなら
       出来て当然。

1)同志社グリークラブ(30名)
 同声三部合唱とピアノのための組曲「永訣の朝」
  作曲:西村朗 作詩:宮澤賢治
     指揮 伊東恵司 ピアノ 萩原吉樹

「人数の壁」からはまだ突破できないし、4回生は片手でも余るくらい。それでも、言語明瞭でTOPを中心とした
フレージングをしっかりつかんだ「攻める」唄い方を実感した好演。
「指揮者の曲造りが変わった?」と感じた方もいたが、「このメンバーでは攻める唄い方が可能」と判断して
シフトチェンジしたからだと思う。1回生20名が加わったコンクール・定演に期待が持てる。

2)慶応ワグネルソサイェティ男声合唱団(34名)
 「中勘助の詩から」
  作曲:多田武彦 作詩:中勘助
      指揮 佐藤正浩 独唱 小貫岩夫(Ten)

実感するのは少数でも「人数の壁」を突破すると、ここまで声が前に来る事。発声も美しい。
状況描写の細かい多田作品をオペラチックな発声で劇的に料理した。水準以上の快演で
あることには間違いない。
ソリストは同志社グリー出身。コーラスとは対照的に「合唱ソロらしい」繊細な発声・唄いまわし
に唄ったのは微笑ましかった。
余談ながら、終曲のエンディングをソリストがフォローしたのは在りなんだけど、ちょっとだけ「ずるい」と
思ってしまった。それが、終始パートを繊細な音色に纏めようとしているのを含めて。

3)関西学院グリークラブ(50名)
 「青いメッセージ」
  作曲:高嶋みどり 作詞:草野心平
  指揮 広瀬康夫  ピアノ 前田勝則

昨年全国コンクール文部大臣賞受賞で取り戻した自信はやはり大きい。余裕を持った水準以上の快演。
反面、伴奏に乗っかって無難に唄った感も拭えなかった。発声面ではP系がF系より浅く感じ、それが
言葉の緊迫感を削いでいる感覚にとらわれた。

4)早稲田大学グリークラブ(75名)
 「方舟」
  作曲:木下牧子 作詞:大岡信
  指揮 高谷光信 ピアノ 寺本紗綾香

4団体の中で潜在能力は絶大。指揮者はその実力を「搾り出す」と言うより
「適材適所に振分ける」ようにドライブしていった様にみえた。
同志社と対照的だったのは、前者が「言葉を前に出していく」方向性」だったのに対し、
早稲田は「フレーズをしっかり鳴らせば詩が浮かび上がってくる」方向性だった事。
隙は無かったが、文より譜面が浮かび上がってくる演奏で、雄大な音の流れは
圧巻だった。

5)合同 「交響曲第九番合唱付きより第四楽章」
  作曲:ベートーベン 編曲:轟千尋
  指揮 小久保大輔   早稲田大学交響楽団
  ソプラノ 牛津佐和子 アルト 永澤麻衣子 
  テナー 小貫岩夫 バスバリトン 稲垣俊也

残念ながら、時間切れで評価する程聴けなかったので・・・m(_ _)m
代わりにいたく同感した、パンフに書かれた小久保先生による「四連に対する思い」の締めの言葉を転記したい。

(四連&祖父福永陽一郎の思い出・選曲の経緯は省略)
・・・・
破壊は新たな創造を義務づける。肝心なことは、否定や破壊そのものではなく、「これではない」「これでもない」とどこかにあるはずの真実を求めて探求し続ける精神なのだと思う。その探求の中で何かが出現した後、肯定はそれを追ってなされる。暴挙だろうが冒涜だろうが構わないのだ。これまでの四連も快挙、怪挙取り混ぜて様々な挑戦が繰り返されてきた。「その時」にしか歌い得ない真実の声を上げることが、私たちに出来る唯一のことなのである。「人間が生きる喜び」の全てを肯定し、すべての人々と分かち合う、私たちの第九を今宵は高らかに歌いたい。 還暦を迎えてなお、若々しく挑戦し攻め続ける防衛戦を、倒れることなく、いつまでも。


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Orphei Drängar大阪公演(2010.10.Oct ザ・シンフォニーホール) [演奏を聴く(仮)]

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座席は写真の通りHH37。2階席の最後列です。

客の入りは関西合唱コンクールとバッティングしたので8割くらい。

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ロビーにこの様な張り紙が。まだツァー2日目なので演奏曲目が手探りなのかも。

前半は、北欧作品を中心とする「おなじみ」の曲のはずでしたが・・・・
新任の指揮者との曲造りが何か手探り状態でいつもほどの感動が無かったです。
勿論、世界トップクラスの基本的スキルの高さはKeepされているのですが。

後半からCAPRICE!(お楽しみコーナー)を枕にして、ODの魅力が炸裂した素晴しいステージになりました。
サンドストレームの「歌う猿」は、せかせかと短縮バージョンだったので「あれ?」っと思いましたが、
プーランクはゆったりとシンフォニックに歌い上げ好感をもちました。
圧巻はオペラ合唱曲。これがこの指揮者の得意なレパートリーとすぐ判りました。

実感したのはこの伝統ある合唱団にしても「過渡期」はあるのだなぁと言う事。
次回はもっと楽しませてくれるかな?
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アルティ声楽アンサンブルフェスティバル2010(2010年7月18~19日京都府立府民ホールアルティ) [演奏を聴く(仮)]

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今年のテーマは「伝えたいうた、残したいうた」
7月18日演奏分を聴いた

<ワークショップ>

「ハーモニーとカノンVol.5」講師 松下耕(作曲家・合唱指揮者)

「合唱のためのエチュード」よりカノン形式の曲を3つ。音階の説明から書き手の意見を織り込んで曲を仕上げていった。心に残ったコメントは以下の通り。

パンフの挨拶より引用(復唱の意味で)
・合唱はウソが嫌い
・合唱はカッコワルイ人を歓迎する
・合唱はわけへだてがない
・合唱は人生に躓いたときほど、味方になってくれる
だから・・・・合唱はいきていくために必要なものです。

何の為に唄うのか?合唱は唄いために集いお互いにリスペクトしていくのが望ましい。

<公募演奏6団体による演奏>

コールマーテル(女声16名:大阪府)

Cantate Domino Psalmus95(l.Gyo:ngyo:si)
七つの子(本居長世 編曲:川村昇一郎)
ずいずいずっころばし(わらべうた 編曲:菊川迪夫)
同声合唱のための「紀の国のこどもうた2」より
やんまヤッホー(松下耕)
ゆうやけこやけ(草川信 編曲:川村昇一郎)
Salve Regina(M.Kocsar)

指揮者なしでは最大の規模。確かにリズム感やアンサンブルは良く纏められていたが、発声上纏まらない部分が散見されたのが惜しい。ヴォイトレにチェックされれば解決するレベルなので是非踏み込んで欲しい。

CORO Giovanni(混声10名:岐阜県 指揮:木村龍司)

混声合唱組曲「風紋」(石井歓)
 1)風と砂丘
 2)あなたは風
 3)おやすみ砂丘
 4)風紋

旧作を「忘れさられててほしくない」とあえて唯一「合唱組曲」に挑戦。重厚な作品を10名で見事に唄いきった。普通10名で唄う作品では無いと思うが、歌い手の意気込みはしっかり伝わった演奏だった。

アンサンブルキール(女声5名:静岡県 指揮:伊東恵司)

ひかり・しずく(長谷部雅彦)
「合唱のためのたのしいエチュード」より(松下耕)
 1)ななくさ
 2)地球は
 3)たけのこ
 4)くじら
 5)とう坂みま坂
 6)ほしのこもりうた
 7)ゆきがとける

今回最少メンバー。殆ど1人1パート担当の重責を見事にこなしていた。今回がステージデビューで前向きな演奏に好感を持った。特に1.5m以上離れたオーダーでホール一杯に響きを満たした松下作品は圧巻。終了後の交流会でアルバム製作を持ちかけてみたら笑って否定したものの、「エチュード」は全曲取り組んだ上での選曲であった事を聞き納得した。



アンサンブル・ヴィトワ(混声6名:大阪府)

Peny Lane(J.Lennon&P.McCatney 編曲:B.Chilcott)
That Lonesome Road(J.Lennon&P.McCatney 編曲:S.Carrington)
She's like the swallow(カナダ民謡 編曲:B.Chilcott)
Lullaby(B.Joel 編曲:P.Lawsom) 今回唯一のPopsメインのステージで異彩を放った。King's Singersのナンバーが中心だが唄いこなしているとは言え、広い舞台を持て余していて、衣装も含めて歌以外の動きに欠けているの気になった。歌が上手かった分余計に目立ったので勿体無かった。あそこまで出来るのならもっと演出に気を使っても良いと思った。 アンサンブル饗香(混声20名:和歌山県 指揮:宮本太源) The Blue Bird(C.V.Stanford) O Happy Eyes(E.Elger) Sing a Song of Sixpence(マザーグース 編曲:J.Rutter) めばえ(木下牧子) 御坊市・日高郡の市民合唱団で地元以外では初ステージとの事。指揮者は旧京都アカデミー合唱団やなにわコラリアーズのメンバーとして活躍した方だがどちらかと言えば経験値の低い、特にアカペラはこれが始めてと言うメンバーをよくここまで鍛え上げたものだと思う。演奏自体は曲目から見る予想に反してしっかりロマンティックに歌い上げる指揮者の感性にしっかり付いていった好演。今後の活躍を期待したい。余談ながら、純朴で脱力系のメンバーのMCは聴衆に大うけで、最後に「やっと日本語の曲です。メンバーもホッとしてるみたいで・・」のコメントに合唱経験者の聴衆は「いや、それは騙されてるし・・」と心の声を上げたとか上げなかったとか・・・ ウィスティリアアンサンブル(女声15名:北海道 指揮:藤岡直美) Surrexit pastor bonus(G.P.da.Plestrina) Agur Maria(J.Busto) 女声合唱組曲「万葉恋歌」より(信長貴富) 1)春の苑 2)君待つと 3)天の火 4)山桜花 Ave Maria(松下耕) かつて、全日本合唱コンクール一般の部で大人の合唱団を戦慄させた「枝幸ジュニア合唱団」。人口1000人以下の枝幸町の女子中学生による演奏は今でも記憶に残る。彼女たちも大人になってアンサンブルの精度と発声の力強さはそのままに、低音域が安定してさらに凄まじい合唱団に成長した。彼女たちがアマチュアと聞くと驚愕する方も少なくないと思う。はっきり言って異次元の出来。関西でこの演奏が聴けたのは本当に幸運だったと思う。 <招待演奏> ENSENBLE PLEIADE(男声15名:東京都 指揮:松下耕) Ave Maria(グレゴリア聖歌) Jesum tradidit impus(T.l.de.Victoria) Beati mortui(F.Mendelssohn) Huszt(Z.Kodaly) Miserere mei(松下耕) 男声合唱組曲「秋の瞳」(松下耕)より 1)秋のかなしみ 2)うつくしいもの 男声合唱組曲「そのひとがうたうとき」(松下耕)より 1)信じる *これのみピアノ前田勝則 幅広いレパートリーを文字通り熱演。早稲田大学グリーと異なるのはテナーがやわらかい音調で「荒さ」はあるものの「空回り」は感じられなかった。 終了後は出演メンバーと交流会。これがこのコンサートの大きな魅力の一つと言える。 実際は2日に渡って13団体が参加する。御興味のある方は来年是非覗いてみてください。
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第59回東西四大学合唱演奏会(2010年6月27日 京都コンサートホール大ホール) [演奏を聴く(仮)]

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客の入りは8割程。3階の席まで埋まり上々の入りといえる。

エール交歓
慶応:会場の響きが掴めず上滑りな音になっていた。
関学:コンパクトに上手く纏めている。このままテナーがもつかが鍵。
早稲田:ホールとの相性が合っている。いつもより力まず「美しい声」が伸びていった。悪くないがらしくない。
同志社:多少荒いが少人数を気にしない攻める唄い方に好感。付属高校から入部したメンバーがまったくいない
     のにらしい演奏になったのには笑ってしまった。

第1ステージ
慶応義塾ワグネルソサイエティ男声合唱団(22名 指揮:佐藤正浩 ピアノ:前田勝則)
『Reynald Hahnによる恍惚のとき』(作曲:R.アーン 編曲:北村協一)
軽目のトーンで纏めた。大きな傷がないが、軽くなった分発音が硬すぎる様に思えた。

第2ステージ
関西学院グリークラブ(46名 指揮:廣瀬康夫)
男声合唱組曲「尾崎喜八の詩から」(作詩:尾崎喜八 作曲:多田武彦)
全てが安定している。もちろん水準以上の演奏。しかし驚きが感じられないのは何故?特に早いテンポのフレーズで言葉の堀込みが足りなく感じた。

第3ステージ
早稲田大学グリークラブ(70名 指揮:小久保大輔)
革命詩人の詩による”十の詩曲”より「6つの男声合唱曲」
(作詞:安田二郎 作曲:D.ショスタコビッチ 編曲:福永陽一郎)
客観的に図抜けた実力を持っているのは事実。聴衆としては「いかに唄うか?」が注目される部分だったと思う。実際期待通りの音圧としなやかなフレージングを取り混ぜた断トツの好演。しかしこの作品をソフトなトーンで纏めたのは賛否が分かれる所。わざわざメッセージを伝える為に日本語を作詩して再構築した作品をサウンドを前に出してそれをぼやかせたのは個人的に不満。指揮者は編曲者(=初演指揮者)のお孫さんだが、求める音楽は別でこの曲では無い気がした。

第4ステージ
同志社グリークラブ(21名 指揮:伊東恵司)
祈りの風景~現代宗教曲から~
この団体は少人数なので唯一ボーカルアンサンブル並みの精度が要求された。もちろん相対的に未熟に感じる部分はあるが、実は一番小規模なこの団体が多彩な宗教曲を一番逃げずにフレーズをしっかり掘り込んで唄ったのは評価して良いと思う。


合同ステージ
(指揮:伊東恵司 ピアノ:若林千春)
男声合唱とピアノのための「天使のいる構図」
(作詩:谷川俊太郎 作曲:松本望)
昨年夏、初演されたばかりの作品。久しぶりに実験的作品を四連で聴いたきがする。こんな作品がこの演奏会ではもっと欲しい

アンコール
(指揮:伊東恵司 ピアノ:若林千春)
世間の評判に乗じて
「サッカーによせて」(作詩:谷川俊太郎 作曲:木下 牧子)

その後のステージストームは毎度おなじみの作品。
・・・・・もうちょっと工夫しようね。

東西四連は普通のジョイントコンサートではない。今後もそうあってほしいとおもう。  


タグ:東西四大学
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第105回同志社グリークラブ定期演奏会(2009.12.12城陽市文化パルク城陽プラムホール) [演奏を聴く(仮)]

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オンステは28名。来年の会場がが学生会館である寒梅館とパンフで予告されていたので、今回が
一般会場での最後の定期演奏会になりそうだ。実は他の同志社大学の合唱団も今年から続々と寒梅館開催に
移行していた。キャパも少ないし、地の利もあるのだが、OB中心の内輪向けになるのが心配。
客の入りは一階で9割程だったので1000人弱と推定できた。これで全国コンクール銀賞のニュースが無かったら
どうなっていたことか・・・・・・
全体的にみてあるOBが「草食系だなぁ」と呟いた。
アンサンブルの上手さは感じるのだが、スキルと体力の低下を実感した。特にパワー志向の曲には不向きな団体になっている。勿論スキルアップの努力は必要だが、彼らが納得するサークル活動である裏打ちが不足しているようにも感じるのは私の思いだけだろうか?

では、ステージ順に


●第Ⅰステージ
「北欧の風景」
指揮・司会:伊東 恵司
1)Kaunehin maa 作曲:Leevi Madetoya
2)Kuutamolla 作曲:Jean Sibelius
3)Kiitavi aatos 作曲:Selim Palmgren
4)Salve Regina 作曲:Kunt Nystedt
5)Och jungfrun hon gari ringen 作曲:Hugo Alfven

四連から歌ってきた指揮者お得意のレパートリー、流石にコンクールの自由曲だった(3)(4)は
今年最高の出来に仕上がっていた。(5)などはブラインドで聴くと北欧の合唱団と間違うくらい
のアンサンブルのまとまりの良さを見せ付けた。ただ、力で捻じ伏せる合唱が全く出来ないため、
アンサンブルの精密さだけでは聴衆へのアッピールが低くなってしまっているのは残念だった。

●第Ⅱステージ
男声合唱組曲「月に寄せる歌」作詞:北原 白秋 作曲:多田 武彦
指揮:鈴木 隆介(第77代学生指揮者)
(1)新月
(2)影
(3)短日
(4)月から見た地球
(5)珠数工の夜
(6)童話の月
(7)月夜の箱

第Ⅰステージと同じアプローチで曲を造ってしまった結果。言葉とダイナミックスがメリハリの無い演奏に
なってしまった。詩を重要視した邦人作品にて言葉が不明瞭なのは致命的で音が決まっていても意味が無い。

●第Ⅲステージ
「British Folk Songs」編曲:北川 昇(委嘱)
指揮:伊東 恵司
(1)The British Grenadiers
(2)Believe me,if all those endearing young charms
(3)The last Rose of Summer
(4)Long long ago
(5)Auld Lang Syne

昨年の「American Folk Songs」に続く作品集だが、より親しみやすく、歌う側も聴く側も楽しめる
アレンジに好感をもったし、合唱自体も声がより前に出ていた。多くの男声合唱団に対応できる
作品なので是非出版してほしい。

●第Ⅳステージ
男声合唱とピアノのための「初心のうた」作詞:木島 始 作曲:信長 貴富
指揮:鈴木 隆介 ピアノ:松井 萌
(1)初心のうた
(2)自由さのため
(3)とむらいのあとは
(4)でなおすうた
(5)泉のうた

この演奏のみ指揮者の世界観が変わった印象を受けた。
非常にアグレッシブに音楽に立ち向かっていく姿勢を感じたのだ。伴奏が入って精神的な余裕が
出来たからかもしれない。あるいは世代的に共感を持ったのかもしれない。
よい意味で非常に弾けた演奏になった。

アンコール
「Dany Boy」編曲:北川 昇 指揮:伊東 恵司
「君、歌えよ」作詩:谷川俊太郎 作曲:信長 貴富 指揮:鈴木 隆介 ピアノ:松井 萌
それぞれ、第Ⅲ・第Ⅳステージと縁のある作品。曲の出来もそれに準ずるものとなった。

ラストは今年亡くなった名誉顧問の遠藤彰先生を追悼してOBと合同で「希望の島」を唄った。


1OBとして望むことは、演奏会のダウンサイジングはやむをえないとして、活動が内向きにならないよう
望みたい。そのための協力は個人的には惜しまない。




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東海メールクワイアー第52回定期演奏会(2009.7.12 愛知芸術劇場コンサートホール) [演奏を聴く(仮)]

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集客は満員!今回は邦人作曲家の作品が特集された。曲目は以下の通り。

男声合唱とピアノによる蒸気機関車への賛歌「走れ わが心」(作詞:伊藤海彦 作曲:大中 恩)
指揮:飯沼 京子・ピアノ:山元 里亜
歌曲集「 日本の笛」(作詩:北原白秋 作・編曲: 平井 康三郎)
指揮:伊東 恵司・ピアノ:平林 知子
男声合唱組曲「光る砂漠」(作詩:矢澤 宰 作曲:萩原 英彦  編曲:福永陽一郎)
指揮:伊東 恵司・ピアノ:平林 知子
男声合唱とピアノのための「 くちびるに歌を」(作曲:信長 貴富)
指揮:飯沼 京子・ピアノ:山下 勝

総括してアンサンブル・唄い回しに破綻は無いのだが、メンバーの高齢化のせいか暗譜率が低く
ダイナミックスの幅も狭いのでメリハリに欠けている気がした。激しい曲も「癒し系」に聴こえてしまう。

最後アンコールで唄われた「こんな夜には」「じゃあね」(作曲:大中 恩)は持ち歌を自信を持って唄ったのか
一番心に響いた。(因みに前者のソプラノ独唱は飯沼 京子先生!)

コンサートビルディングの難しさを痛感した演奏会であった。


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