今年のテーマは「伝えたいうた、残したいうた」
7月18日演奏分を聴いた
<ワークショップ>
「ハーモニーとカノンVol.5」講師 松下耕(作曲家・合唱指揮者)
「合唱のためのエチュード」よりカノン形式の曲を3つ。音階の説明から書き手の意見を織り込んで曲を仕上げていった。心に残ったコメントは以下の通り。
パンフの挨拶より引用(復唱の意味で)
・合唱はウソが嫌い
・合唱はカッコワルイ人を歓迎する
・合唱はわけへだてがない
・合唱は人生に躓いたときほど、味方になってくれる
だから・・・・合唱はいきていくために必要なものです。
何の為に唄うのか?合唱は唄いために集いお互いにリスペクトしていくのが望ましい。
<公募演奏6団体による演奏>
コールマーテル(女声16名:大阪府)
Cantate Domino Psalmus95(l.Gyo:ngyo:si)
七つの子(本居長世 編曲:川村昇一郎)
ずいずいずっころばし(わらべうた 編曲:菊川迪夫)
同声合唱のための「紀の国のこどもうた2」より
やんまヤッホー(松下耕)
ゆうやけこやけ(草川信 編曲:川村昇一郎)
Salve Regina(M.Kocsar)
指揮者なしでは最大の規模。確かにリズム感やアンサンブルは良く纏められていたが、発声上纏まらない部分が散見されたのが惜しい。ヴォイトレにチェックされれば解決するレベルなので是非踏み込んで欲しい。
CORO Giovanni(混声10名:岐阜県 指揮:木村龍司)
混声合唱組曲「風紋」(石井歓)
1)風と砂丘
2)あなたは風
3)おやすみ砂丘
4)風紋
旧作を「忘れさられててほしくない」とあえて唯一「合唱組曲」に挑戦。重厚な作品を10名で見事に唄いきった。普通10名で唄う作品では無いと思うが、歌い手の意気込みはしっかり伝わった演奏だった。
アンサンブルキール(女声5名:静岡県 指揮:伊東恵司)
ひかり・しずく(長谷部雅彦)
「合唱のためのたのしいエチュード」より(松下耕)
1)ななくさ
2)地球は
3)たけのこ
4)くじら
5)とう坂みま坂
6)ほしのこもりうた
7)ゆきがとける
今回最少メンバー。殆ど1人1パート担当の重責を見事にこなしていた。今回がステージデビューで前向きな演奏に好感を持った。特に1.5m以上離れたオーダーでホール一杯に響きを満たした松下作品は圧巻。終了後の交流会でアルバム製作を持ちかけてみたら笑って否定したものの、「エチュード」は全曲取り組んだ上での選曲であった事を聞き納得した。
アンサンブル・ヴィトワ(混声6名:大阪府)
Peny Lane(J.Lennon&P.McCatney 編曲:B.Chilcott)
That Lonesome Road(J.Lennon&P.McCatney 編曲:S.Carrington)
She's like the swallow(カナダ民謡 編曲:B.Chilcott)
Lullaby
(B.Joel 編曲:P.Lawsom)
今回唯一のPopsメインのステージで異彩を放った。King's Singersのナンバーが中心だが唄いこなしているとは言え、広い舞台を持て余していて、衣装も含めて歌以外の動きに欠けているの気になった。歌が上手かった分余計に目立ったので勿体無かった。あそこまで出来るのならもっと演出に気を使っても良いと思った。
アンサンブル饗香(混声20名:和歌山県 指揮:宮本太源)
The Blue Bird(C.V.Stanford)
O Happy Eyes(E.Elger)
Sing a Song of Sixpence(マザーグース 編曲:J.Rutter)
めばえ(木下牧子)
御坊市・日高郡の市民合唱団で地元以外では初ステージとの事。指揮者は旧京都アカデミー合唱団やなにわコラリアーズのメンバーとして活躍した方だがどちらかと言えば経験値の低い、特にアカペラはこれが始めてと言うメンバーをよくここまで鍛え上げたものだと思う。演奏自体は曲目から見る予想に反してしっかりロマンティックに歌い上げる指揮者の感性にしっかり付いていった好演。今後の活躍を期待したい。余談ながら、純朴で脱力系のメンバーのMCは聴衆に大うけで、最後に「やっと日本語の曲です。メンバーもホッとしてるみたいで・・」のコメントに合唱経験者の聴衆は「いや、それは騙されてるし・・」と心の声を上げたとか上げなかったとか・・・
ウィスティリアアンサンブル(女声15名:北海道 指揮:藤岡直美)
Surrexit pastor bonus(G.P.da.Plestrina)
Agur Maria(J.Busto)
女声合唱組曲「万葉恋歌」より(信長貴富)
1)春の苑
2)君待つと
3)天の火
4)山桜花
Ave Maria(松下耕)
かつて、全日本合唱コンクール一般の部で大人の合唱団を戦慄させた「枝幸ジュニア合唱団」。人口1000人以下の枝幸町の女子中学生による演奏は今でも記憶に残る。彼女たちも大人になってアンサンブルの精度と発声の力強さはそのままに、低音域が安定してさらに凄まじい合唱団に成長した。彼女たちがアマチュアと聞くと驚愕する方も少なくないと思う。はっきり言って異次元の出来。関西でこの演奏が聴けたのは本当に幸運だったと思う。
<招待演奏>
ENSENBLE PLEIADE(男声15名:東京都 指揮:松下耕)
Ave Maria(グレゴリア聖歌)
Jesum tradidit impus(T.l.de.Victoria)
Beati mortui(F.Mendelssohn)
Huszt(Z.Kodaly)
Miserere mei(松下耕)
男声合唱組曲「秋の瞳」(松下耕)より
1)秋のかなしみ
2)うつくしいもの
男声合唱組曲「そのひとがうたうとき」(松下耕)より
1)信じる
*これのみピアノ前田勝則
幅広いレパートリーを文字通り熱演。早稲田大学グリーと異なるのはテナーがやわらかい音調で「荒さ」はあるものの「空回り」は感じられなかった。
終了後は出演メンバーと交流会。これがこのコンサートの大きな魅力の一つと言える。
実際は2日に渡って13団体が参加する。御興味のある方は来年是非覗いてみてください。
2010-07-19 02:08
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