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第57回東西四大学合唱演奏会(2007.6.29NHK大阪ホール) [演奏を聴く(仮)]

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客の入りは8割ほど、一階席はほぼ満員。昨年より内輪(OB・現役の血縁)以外の聴衆が多かった。
同関が事実上消滅してしまい、大きな音楽イベントが減っている関西で知名度の高い大学男声合唱団が揃うのは
もはやこれだけと言うことも関係しているのだろう。

今回の演奏会にキーワードを与えるとすれば「オンステ数」
早稲田70同志社28慶応義塾30関西学院32。この数が演奏に出来不出来以前に大きな影響を与えるのを
実感する内容となった。

<エール交歓>
早稲田:エールの出来は良い意味で荒く、四校中最大のスケール感。
同志社:上に良く伸びる声、テナーはやや抜けに不満。ベースはやや地声。
慶応義塾:一番声がはっきり前に来ていた。
関西学院:四校中アンサンブルのバランスが一番良かった。

<第一ステージ>早稲田大学グリークラブ(70名)
男声合唱組曲「IN TERRA PAX ー地に平和をー」
作詞:鶴見正夫 作曲・指揮:荻久保和明 ピアノ:渡邊純子
何度も再演された曲だが、自作自演は関西初演。 指揮者(=作曲家)の過激な要求に全て反応した言葉のほとばしる「熱い」爆演。 例えば、かつての淀工グリーがコンクールで聴かせてくれた様な叙情的な解釈(それが一般的)ではなく、もっと 情念を込めたもので、こうなるとこの合唱団の独断場。 他三団体とは別次元の大人数をフル活用してホールを唸らせ、聴衆を黙らせた。 自作自演である以上、これも有り。 この曲の別の側面を表出させた快演

<第二ステージ>同志社グリークラブ(29名)
エストニアヘの旅
作曲:V.Tormis 指揮:伊東恵司
今回OBだからと言うこともあるが、この団体の評価を書くのは苦痛だった。 好演ながら、それを裏付ける技術がそのまま現状の課題と直結しているのだ。 今回も、エストニアを代表する作曲家V.Tormisの作品から4曲をセレクト。 曲によってオーダーを変えたり、パフォーマンスを加えた上に、アンサンブルの精度を磨き上げたので、 少人数がマイナス要素に思えず「柔良く剛を制す」演奏。 特に新2回生の成長は好感を持った。 3曲目のSoliが敢えて荒々しく唄ったのは演出上正解。 4曲目は昨年の四連・定演と三回目の再演。今回が一番こなれていた。 課題はハモリに気を取られて声が前に出なくなっている事。もっと前に 出せたらと思う。

<第三ステージ>慶応義塾ワグネル・ソサィエティ男声合唱団(28名)
男声合唱とピアノのための「愛の夢」より
作曲:F.Liszt 編曲:佐渡孝彦 指揮・司会:畑中良輔 ピアノ:谷地重紬子
昨年に続き、出版直後の佐渡孝彦氏の編曲作品を 演奏時間が短いため、珍しく冒頭から畑中先生のレクチャーを挟んで演奏。 「歌曲編曲はかく唄うべき」とした「正統的」演奏。 今のトレンドからは乖離しているがこうした頑丈な発声の土台は男声ではこの合唱団以外聴けなくなって しまった気がする。
<第四ステージ>関西学院グリークラブ(32名)
コダーイ男声合唱曲集
作曲:Koda'ly Zolta'n 指揮:広瀬康夫
5曲をセレクト。 トップ以外は近年最高の仕上がりだった。久々に「らしい」サウンドを 聴けた。トップの仕上がりが現状の課題。
<合同演奏>
Sound of Hope~African-American Sprituals~
編曲:R.Show N.Luboff W.L.Dawson H.T.Burieigh F.Heath 指揮:広瀬康夫
20年ほど前ならどこの男声合唱団でも唄われていた曲集を敢えて 選曲したのは「次世代への引継ぎ」が大きかったと思う。演奏は勿論水準以上。


東西四連が特別な存在から普通のジョイントに変貌した危惧はひしひしと感じる。
曲によってはもはやコンクール常連の団体の方がレベルが高いのは否定できない。
サークル自体の維持が大変なのは重々判っているが・・・・・・・・・・もっと高みを目指す
モチベーションがほしい。























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